温活のすすめ

冷え性

寒い冬になると、冷えに悩む人が増えてきます。冷えは、体温が低下することで起こる状態です。体温が低いと、免疫力が低下して風邪やインフルエンザにかかりやすくなったり、代謝が落ちて太りやすくなったりするなどの影響があります。また、冷えは肌の乾燥やくすみ、シワなどの原因にもなります。

そこで、近年注目されているのが「温活」です。温活とは、体を温めることで、健康と美容を保つための方法です。

温活とは?

温活とは、体を温めて基礎体温を上げ、体調不良などを改善することです。温活では、エアコンやストーブといった外からの力に頼らずに、自らの力で体を温めます。健康維持には基礎体温を上げることが重要だとされているため、温活により基礎体温が上がることで、健康維持のために適した体温を保てるようになります。

体温産生(熱産生)の仕組み

体温は、体の内部で起こる化学反応(代謝)の結果として発生する熱(熱産生)と、体外に逃げていく熱(熱放散)のバランスによって一定に保たれています。

熱産生は、主に以下の3つの方法によって行われます。

  • 代謝:体内の細胞で起こる化学反応によって、エネルギーが産生されます。このとき、約30%のエネルギーが熱として放出されます。
  • ふるえ筋収縮によって、筋肉内のATP(アデノシン三リン酸)が分解されます。この過程で、約40%のエネルギーが熱として放出されます。また、筋収縮によって、血液循環が促進されます。これにより、末梢の毛細血管が拡張し、熱が放出されやすくなります。
  • 非ふるえ熱産生:食事や運動によって、体温を上げるホルモン(交感神経ホルモンカテコールアミン)が分泌され、体温が上昇します。

なお、体温は、年齢や性別、体型、活動量、環境温度などによっても異なります。一般的な成人の安静時の体温は、36.5℃前後です。

温活のメリット

温活には、以下のメリットがあります。

  • 基礎体温が上がり、新陳代謝が活発になる

基礎体温が上がると、血管が拡張して血流が良くなります。血流が良くなることで、体内の隅々まで栄養や酸素が行き渡り、老廃物が排出されやすくなります。

交感神経と副交感神経は、互いにバランスを取り合いながら働いていますが、血流が悪くなると、交感神経が優位になり、緊張状態が続くようになります。新陳代謝が活発になると、血流の改善やホルモンの分泌促進により、自律神経のバランスが整いやすくなります。そのため、新陳代謝を活性化させることは、自律神経の安定を図る上で重要なポイントと言えるでしょう。

  • 免疫力がアップする

免疫細胞は、全身を巡りながら、異物や病原菌を攻撃しています。そのため、血流が改善されると、免疫細胞の活動が活発になり、免疫力が高まります。また、新陳代謝が良くなると、白血球の増加が促進されます。白血球は、体内に侵入した異物を排除する役割を担っています。血流の改善と白血球の増加により、免疫力が高まると考えられます。

  • 腰痛・肩こり・冷え性・むくみの改善

新陳代謝が活発になると、体内の細胞が活性化し、エネルギーを消費するようになります。そのため、血液の循環量が増加し、全身に酸素や栄養素が行き渡りやすくなります。腰痛や肩こり、冷え性、むくみの多くは、血行不良が原因と考えられています。血流が改善されると、これらの症状が改善されると考えられます。

  • 生理痛やPMSの症状が軽くなる

血流の改善は、生理痛やPMSの症状を緩和する上で重要な役割を果たします。生理痛は、子宮の収縮によって起こりますが、血流が悪くなると、子宮の収縮が強くなり、痛みが増強されます。また、PMSの症状の一つである頭痛やめまいも、血流の悪化が原因と考えられています。新陳代謝が良くなると、副腎皮質からコルチゾールやアドレナリンなどのホルモンが分泌されます。これらのホルモンは、ストレスに対処する際に重要な役割を果たしますが、適度な量であれば、生理痛やPMSの症状を軽減する効果も期待できます。

  • 肌の調子が良くなる

新陳代謝が良くなると、肌のターンオーバーが正常化します。ターンオーバーとは、古くなった細胞が新しい細胞に生まれ変わるサイクルのことです。ターンオーバーが正常化すると、肌のくすみやニキビなどの肌トラブルが改善されます。

温活の方法

  • 適度な運動をする

筋肉は体の熱の約40%を産生するので、適度な運動をすると、筋肉量が増え、基礎代謝が上がりやすくなります。ウォーキングやジョギング、筋トレなど、無理のない範囲で運動をしましょう。

  • 湯船に浸かる

ぬるめのお湯(38℃~40℃)のお湯にゆっくり時間をかけて(30分ぐらいが目安)体の芯からまで温めましょう。保温効果のある入浴剤を使用すると効果的です。

  • 体を温める食べ物を食べる

根菜類や肉類、魚介類などのたんぱく質を多く含む食品は、体内で分解・代謝される際に熱を産生します。また、発酵食品には、乳酸菌などの微生物が含まれており、腸内環境を整える働きを持っています。腸の動きを活発にしてエネルギー代謝を高めます。冷え性対策のためには、これらの食べ物をバランスよく摂ることが大切です。

  • 体の外側からの温活グッズを利用する

新陳代謝を高めることや、食生活の改善をすることプラスαで手軽にできる温活グッズを利用しましょう。腹巻使い捨てカイロ湯タンポあったか靴下ネックウォーマーがおすすめです。

おすすめの医薬品や医薬部外品、健康食品

紅参力 健康食品

紅参に含まれるサポニンには、血栓の形成を防ぎ、毛細血管の血流を改善する働きがあります。血流のスムーズな流れを維持することにより、全身のすみずみまで酸素を供給するため、体の中から温める効果が期待されます。

黄帝酒 第3類医薬品

10種類の生薬とタウリンを配合した薬用酒です。エレウテロコック根、オウセイ、ニンジンなどの生薬から得たエキスが使われており、冷え症、虚弱体質、肉体疲労などの滋養強壮に効果があるとされています。胃腸の疲れ、抜けない疲れを感じる時には、夕食前とおやすみ前の2回の服用がおすすめです。

今岡 しょうが湯(ビタミンc入) 食品

国産生姜のやさしい辛味と沖縄産黒糖のコクと風味の調和が絶妙。昔懐かしい癒されるお味で、体も心も温まります。

オンセンス・パインバス(薬用入浴剤) 医薬部外品

松の精油によって体を芯から温め、万病のもととも言われている冷えを解消。入浴後も保温が持続するので湯冷めを防ぎます。

まとめ

温活は、健康と美容を保つための、とても効果的な方法です。ぜひ、無理のない範囲で温活を取り入れて、健康で美しい体を手に入れましょう。

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