高価格目薬って本当に効果がある?人気の理由と選び方を徹底解説!

目薬

近年、ドラッグストアやオンラインショップで目薬売り場を眺めていると、1000円を超える高価格帯の目薬が続々と登場しています。数千円する目薬に本当に価値はあるのか、疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、目の構造、目薬の主な成分、高価格目薬が人気の理由、選び方、そしておすすめの商品を徹底解説します。

目の構造

目はカメラと似ていますが、より複雑で精密な構造を持っています。

1. 外眼部

  • 角膜: 透明なドーム状の層で、光を屈折させて網膜に焦点を合わせます。
  • 強膜: 白目と呼ばれる部分で、眼球を保護します。
  • 虹彩: 目の色を決める部分で、瞳孔の大きさを調節します。
  • 瞳孔: 光の通り道で、虹彩によって大きさが調節されます。
  • 水晶体: カメラのレンズに相当し、光を屈折させて網膜に鮮明な像を結ぶ役割があります。
  • 毛様体: 水晶体の厚さを変えて、ピント調節を行います。水晶体の厚みを調整しているのは毛様体の筋肉。近くを見るときは、この筋肉を縮めて水晶体を厚くし、光を大きく屈折させます。
  • 硝子体: 眼球の大部分を占める透明なゲル状の物質で、光を透過させます。

2. 内眼部

  • 網膜: カメラのフィルムに相当し、光を感じて電気信号に変換します。
  • 視神経: 網膜から脳に視覚情報を伝える神経です。
  • 黄斑: 網膜の中心にある最も視力が鋭敏な部分です。
  • 盲点: 視神経乳頭と呼ばれる部分で、光を感じる細胞がないため、何も見えない部分です。

3. 目の働き

  1. 光が角膜を通過し、屈折されます。
  2. 瞳孔を通過した光は、水晶体によってさらに屈折されます。
  3. 網膜に像が結ばれます。
  4. 網膜の視細胞が光を感じて電気信号に変換します。
  5. 電気信号は視神経を通じて脳に伝達されます。
  6. 脳は電気信号を処理して、視覚情報に変換します。

4.涙の働き

  • 乾燥を防ぎ、ゴミなどを洗い流します。
  • 細菌と戦い、目を守ります。
  • 角膜に酸素や栄養素を届けます。
  • 光化学的機能を高めます。

5.涙の成分

98%が潤滑油のような水分で構成されています。残りの2%は、ナトリウム、カリウム、グルコース、アルブミン、グロブリン、リゾチーム、ラクトフェリンなどでできています。

5. その他

  • まぶたは目を保護し、ゴミや異物から守ります。
  • 眼球運動は6つの筋肉によって行われ、さまざまな方向を見ることができます。

目薬の主な成分

目薬の成分は、目薬の種類や効能によって異なりますが、一般的に以下の成分が含まれています。

  • 調節機能改善成分 ピント調整機能を改善する

ネオスチグミンメチル硫酸塩

副交感神経の働きを高めることで、毛様体の筋肉の収縮・弛緩をスムーズにします。

  • 血管収縮成分 目の充血を緩和する

ナファゾリン塩酸塩・テトラヒドロゾリン塩酸塩・フェニレフリン塩酸塩

血管収縮成分が交感神経系の神経伝達物質と同じように作用します。結膜の血管を収縮させて充血を和らげます。

  • 抗ヒスタミン成分 目のかゆみや充血を抑える

クロルフェニラミンマレイン酸塩・ジフェンヒドラミン塩酸塩・ケトチフェンフマル酸塩(抗アレルギー作用を持つ抗ヒスタミン成分)

ヒスタミンが結合する前に、先回りしてヒスタミン受容体と結合します。ヒスタミンをブロックし、かゆみや充血、腫れなどを抑制します。

  • 抗アレルギー成分 目のアレルギー症状を起こりにくくする

クロモグリク酸ナトリウム・アシタザノラスト水和物・ペミロラストカリウム・トラニラスト・ケトチフェンフマル酸塩(抗アレルギー作用を持つ抗ヒスタミン成分)

肥満細胞の細胞膜を安定させ、アレルギー症状の原因となるヒスタミンなどの放出を抑制します。

  • 抗菌成分 目の最近感染を抑える

スルファメトキサゾール・スルファメトキサゾールナトリウム

細菌が葉酸を合成する経路を阻害します。細菌の増殖を抑制します。

  • ビタミン類 目の新陳代謝を改善する

ビタミンE(酢酸d-α-トコフェノール)

過酸化脂質の増加を抑え、目の組織を正常化に保ちます。また、血液循環を良くし、目の組織に酸素や栄養素を供給できるようにするとともに、老廃物の排出を促して目の疲れを改善します。

ビタミンB2(フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム)

酸素を取り込んで細胞のエネルギー代謝を促進します。

ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)・プロビタミンB5(パンテノール)

新陳代謝を高め、目の疲労を改善します。

ビタミンB12(シアノコバラミン)

毛様体抹消神経に直接働いて目の疲れを改善します。

ビタミンA(レチノールパルミチン酸エステル)

角膜上皮細胞の修復を促進します。また、涙液の分泌を促進します。

  • アミノ酸類 目の新陳代謝を改善する

L₋アスパラギン酸カリウム・L₋アスパラギン酸マグネシウム

角膜細胞の呼吸を促進し、目の働きを活性化します。

タウリン(アミノエチルスルホン酸)

新陳代謝を促進するだけでなく、角膜の保護や組織組織修復作用があります。

コンドロイチン硫酸エステルナトリウム

角膜の表面を保護して乾燥を防ぎます。涙の粘度を高め、目薬の薬効成分の効果を持続させます。角膜や水晶体の透明度や弾力性を高めます。

  • 消炎・収れん成分 目の炎症を抑える

グリチルリチン酸二カリウム

副腎皮質ホルモン(ステロイド)によく似た構造で、抗炎症、抗アレルギー作用があります。

リゾチーム塩酸塩

組織の修復を早め、炎症を抑える酵素です。(注意:卵白から精製された成分なので卵アレルギーの人は使用できません。)

アズレンスルホン酸ナトリウム

角膜上皮の再生を促進します。また、炎症を鎮めます。

アラントイン

組織を修復し、結膜の炎症や充血を鎮めます。

ベルベリン塩酸塩水和物

抗炎症作用、殺菌作用があります。

硫酸亜鉛水和物

目の粘膜と結合して皮膜をつくることで炎症を和らげます。(注意:就寝前の点眼は避けてください。)

イプシロン-アミノカプロン酸

炎症の原因となるプラジキニンを産生するプラスミンの働きを阻害する抗プラスミン成分です。

プラノプロフェン

外部からの刺激で炎症症状を増強する「プロスタグランジン」の産生を抑えることで腫れや痛み、炎症を和らげます。

  • 清涼化剤(添加物) 清涼感で目をリフレッシュさせる

高価格目薬が人気の理由

高価格目薬が人気を集めている理由は、主に以下の5つが挙げられます。

  • 高濃度の有効成分

一般的な目薬と比べて、高価格目薬は高濃度の有効成分を配合していることが多く、目の疲れや充血、ドライアイなどの症状をより効果的に改善することができます。

  • 複数の有効成分の配合

複数の有効成分を配合することで、目の複数の症状を同時に改善したり、それぞれの有効成分の効果を高めたりすることができます。

  • 独自処方

各メーカー独自の研究開発によって生み出された、独自の処方が採用されているのも高価格目薬の特徴です。複数の有効成分を組み合わせることで、より高い効果を実現しています。

  • 使い心地へのこだわり

目薬の容器やノズルにもこだわり、使い心地の良さを追求している高価格目薬も多くあります。目にさした時の刺激が少なく、長時間使用しても目が疲れにくい設計になっています。

  • 目の健康への意識向上

近年、パソコンやスマートフォンなどの使用時間が増え、目の疲労やドライアイなどの目のトラブルを抱える人が増えています。そのため、目の健康を維持するために、より効果的な目薬を求める人が増えているのです。

高価格目薬を選ぶ際のポイント

高価格目薬には様々な種類があり、それぞれ効果や特徴が異なります。自分に合った目薬を選ぶためには、以下のポイントをチェックしましょう。

  1. 自分の目の悩み

目の乾燥、充血、かゆみ、疲れ目、かすみ、など、自分の目の悩みに合った成分や効果を備えた目薬を選びましょう。

  1. 使用シーン

パソコンやスマートフォンを長時間使用する方、コンタクトレンズを着用している方など、使用シーンに合わせて選ぶのも重要です。

おすすめの高価格目薬5選

ここでは、特におすすめの高価格目薬を5つご紹介します。

Vロートプレミアム 第2類医薬品

国内最多の12有効成分を配合!つらい疲れ目の原因に多角的にアプローチし、酷使して蓄積したつらい疲れ目を治す目薬です。

サンテ メディカル 第2類医薬品

一般用目薬としては最多の12成分を配合。目の疲れやピント調節機能の改善に特化、さらに乾きに起因する目の疲れもカバーする、つらい目の疲れに対応した目薬です。

ノアール12EX 第2類医薬品

一般用眼科用薬承認基準最大数の12種類の有効成分が入った目薬です。目の使いすぎによる眼疲労の回復などに効果をあらわします。

アイリスガードP 第2類医薬品

非ステロイド性抗炎症成分プラノプロフェンが炎症の原因物質(プロスタグランジン)の生成を抑制して、目の異物感・なみだ目・充血・かゆみなどを改善します。

ヒアレインS 第1類医薬品

とろっとした成分(ヒアルロン酸ナトリウム)が目の表面にとどまり、うるおいをキャッチ。目の疲れ、乾き、かすみの原因の一つであるうるおい不足を改善し、正常な状態へと導きます。

まとめ

高価格目薬は、低価格目薬よりも効果の高い成分が配合されていることが多いです。しかし、必ずしもすべての人に効果があるわけではありません。自分の目の症状や予算に合わせて、自分に合った目薬を選ぶことが大切です。

参考 高価格帯の目薬が売れているワケ: https://toyokeizai.net/articles/-/153271

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