2024年 花粉飛散予想と対策

花粉症

2024年春の花粉飛散量は、多くの地域で例年並みかやや多い予想です。飛散開始時期は例年と同様、九州・四国・中国地方が2月中旬から下旬、東海・関東甲信地方が2月下旬から3月上旬、近畿地方が3月上旬、北陸・東北地方が3月中旬から下旬と見込まれています。

そこで今回は2024年花粉飛散予想と花粉症になるメカニズム、花粉症のお薬などを解説していきます。

2024年 花粉飛散予想

  • 飛散開始時期:
    • 九州・四国・中国・東海・関東甲信の一部: 2月上旬
    • 近畿: 2月中旬
    • 北陸・東北南部: 2月中旬から下旬
    • 東北北部: 3月上旬から中旬
  • 飛散量:
    • 北海道: 非常に多い (200%以上)
    • 東北・北陸・近畿・中国・四国: やや多い (120~140%)
    • 九州・関東甲信: 例年並み (100%)

参考情報

各地域の飛散開始時期、飛散量、最新情報などは、以下のサイトで確認できます。

花粉症になるメカニズム

花粉症は、スギやヒノキなどの花粉が鼻や目に入り、体内に侵入することで起こるアレルギー反応です。具体的には以下のメカニズムで症状が現れます。

1. 花粉の侵入

空気中に浮遊する花粉が鼻や目から体内に入ります。

2. 抗体の生成

花粉が体内に侵入すると、免疫システムが働いて花粉を異物と認識し、IgE抗体と呼ばれる抗体が生成されます。

3. 肥満細胞の活性化

IgE抗体が鼻や目の粘膜にある肥満細胞に結合します。

4. ヒスタミンの放出

再び花粉が体内に入ると、肥満細胞が活性化し、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されます。

5. 症状の出現

ヒスタミンなどが鼻や目の神経や血管を刺激することで、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目の痒み、充血などの症状が現れます。

6. 症状の悪化

症状が長引くと、鼻腔内や結膜が炎症を起こし、さらに症状が悪化することがあります。

花粉症の薬に用いられる主な成分

鼻炎薬(内服)

  • 抗ヒスタミン成分 アレルギー反応を引き起こすヒスタミンの作用をブロック

第1世代抗ヒスタミン成分 

ジフェンヒドラミン塩酸塩・クロルフェニラミン塩酸塩・クレマスチンフマル酸塩

1983年以前に発売 眠気・口渇の副作用がある 効果の発現が早い 今すぐ症状を抑えたい時はこちら(注意:乗物又は機械類の運転操作はしないでください)

第2世代抗ヒスタミン成分

フェキソフェナジン塩酸塩・エピナスチン塩酸塩・ロラタジンケトチフェンフマル酸塩(抗アレルギー作用を持つ抗ヒスタミン成分)

1983年以降に発売 副作用のリスクが少ない 効果の発現は少し遅いですが、効果の持続時間が長い 症状が出はじめる前から服用がベスト

  • 血管収縮成分 鼻粘膜の血管を収縮

ナファゾリン塩酸塩・テトラヒドロゾリン塩酸塩・フェニレフリン塩酸塩

血管収縮成分が交感神経系の神経伝達物質と同じように作用します。結膜の血管を収縮させて充血を和らげます。

  • 抗コリン成分 鼻粘膜の分泌を減少させる

ラドンナ総アルカロイド・ヨウ化イソプロパミド

副交感神経の働きを抑制することで、鼻粘膜の血行を抑制し、粘液の分泌を減少させます。

点鼻薬

  • 血管収縮成分 鼻粘膜の血管を収縮

ナファゾリン塩酸塩・テトラヒドロゾリン塩酸塩・フェニレフリン塩酸塩

血管収縮成分が交感神経系の神経伝達物質と同じように作用します。結膜の血管を収縮させて充血を和らげます。(注意:1日3~4回以上、1ヶ月以上の連用は避ける)長期連用すると薬害性鼻炎になる可能性があります

  • 抗ヒスタミン成分 アレルギー反応を引き起こすヒスタミンの作用をブロック

ジフェンヒドラミン塩酸塩・クロルフェニラミン塩酸塩

ヒスタミンが結合する前に、先回りしてヒスタミン受容体と結合します。ヒスタミンをブロックし、鼻水やくしゃみなどを抑制します。

  • 抗アレルギー成分 アレルギー誘発物質の放出を抑える

クロモグリク酸ナトリウム

肥満細胞からのヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質の放出を抑制することで作用します。

  • ステロイド 鼻粘膜の炎症を抑える

ベクロメタゾンプロピオン酸エステル

即効性はないですが、鼻粘膜の炎症を抑える効果は高いです。また、市販ステロイド配合点鼻薬は1年間に合計3ヶ月以内の使用期限があります。

目薬

  • 血管収縮成分 目の充血を緩和する

ナファゾリン塩酸塩・テトラヒドロゾリン塩酸塩・フェニレフリン塩酸塩

血管収縮成分が交感神経系の神経伝達物質と同じように作用します。結膜の血管を収縮させて充血を和らげます。

  • 抗ヒスタミン成分 目のかゆみや充血を抑える

クロルフェニラミンマレイン酸塩・ジフェンヒドラミン塩酸塩・ケトチフェンフマル酸塩(抗アレルギー作用を持つ抗ヒスタミン成分)

ヒスタミンが結合する前に、先回りしてヒスタミン受容体と結合します。ヒスタミンをブロックし、かゆみや充血、腫れなどを抑制します。

  • 抗アレルギー成分 目のアレルギー症状を起こりにくくする

クロモグリク酸ナトリウム・アシタザノラスト水和物・ペミロラストカリウム・トラニラスト・ケトチフェンフマル酸塩(抗アレルギー作用を持つ抗ヒスタミン成分)

肥満細胞の細胞膜を安定させ、アレルギー症状の原因となるヒスタミンなどの放出を抑制します。

漢方薬

花粉症に効く漢方薬はたくさんありますが、代表的なものは以下の3つです。

1. 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

  • 風邪のひき始めのような症状(水っぽい鼻水、くしゃみ、頭痛など)や、寒の時期の花粉症に効果的な漢方薬です。
  • 体を温め、水分代謝を促し鼻水、くしゃみを抑えます。
  • 比較的副作用が少なく、多くの人に用いられています。

2. 葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)

  • 鼻づまりや慢性鼻炎などの症状に効果的な漢方薬です。
  • 体を温め、血行を促進することで、鼻の症状を改善します。
  • 鼻粘膜がうっ血し、鼻づまりなどの症状を引き起こす場合に効果があります。

3. 辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)

  • 鼻づまりや、濃い鼻汁が出るなどのなどの症状に効果的な漢方薬です。
  • 鼻にこもった熱や炎症を抑え、鼻の症状を改善します。
  • 慢性鼻炎やちくのう症(副鼻腔炎)におすすめです。

おすすめ花粉症のお薬

クラリチンEX 第2類医薬品 (第2世代抗ヒスタミン成分

クラリチンEXに配合されている「ロラタジン」は患部で有効に働き、脳内への移行性が低い非鎮静性成分ですので、眠くなりにくい、集中力が低下しにくいといった特長があります。パイロットでも服用することができる鼻炎薬として有名です。症状が出はじめる前から服用してください。

アレジオン20 第2類医薬品 (第2世代抗ヒスタミン成分)

第2世代抗ヒスタミン成分であるエピナスチン塩酸塩を配合。鼻水、鼻づまり、くしゃみなどのアレルギー性鼻炎症状を鎮め、さらにアレルギー症状を引き起こす原因物質(ヒスタミン、PAF、ロイコトリエン など)の作用を抑えます。

鼻炎薬A「クニヒロ」 第②類医薬品 (第1世代抗ヒスタミン成分)

鼻粘膜の充血やはれを軽減させる作用のある「塩酸プソイドエフェドリン」を配合。5つの有効成分が、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどのつらい鼻炎症状に優れた効果を発揮します。今すぐ症状を止めたい時におすすめです。

ナザールαAR0.1%(季節性アレルギー専用) 第2⃣類医薬品

ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの働きにより鼻腔内のうっ血や炎症を抑え、鼻の通りをよくします。1年に3ヶ月使用可能です。

アイリスAGガード 第2類医薬品

抗アレルギー成分「ケトチフェンフマル酸塩」にグリチルリチン酸二カリウム、タウリンを配合。アレルギー眼症状を引き起こす原因物質(ヒスタミンなど)の発生を抑え、かゆみ・炎症などを鎮め、炎症により傷ついた目の状態を整えます。

鼻療 第2類医薬品

建林松鶴堂の「鼻療(びりょう)」は、アレルギー性鼻炎、鼻づまり、鼻水、鼻からの頭痛や頭重、鼻腔炎、蓄膿症、肥厚性鼻炎などの症状に適応する生薬製剤です。11種類の生薬が体に働きかけ、鼻の症状を改善します。

その他

  • マスク: 99%カットフィルター付きのマスクを着用しましょう。
  • メガネ: 花粉が目に入るのを防ぎます。
  • 帽子: 髪に花粉が付着するのを防ぎます。
  • 服装: 衣服を払い、うがい・手洗いをしましょう。静電気防止スプレーを使って衣服に花粉をつかないようにしましょう。
  • 洗濯: 外干しは控え、部屋干しにしましょう。
  • 掃除: 掃除機や空気清浄機を活用しましょう。
  • 生活習慣:睡眠不足やストレスを避けましょう。
  • 情報収集: 花粉飛散量の情報や天気予報などをこまめにチェックしましょう。花粉情報アプリを活用すると、飛散量や症状予測などをリアルタイムで確認できます。
  • 医療機関: 症状がひどい場合は、医療機関を受診しましょう。

まとめ

2024年花粉量は例年より多い地域が多く、早めの対策が必要です。自分に合った花粉対策を行い、快適な花粉シーズンを過ごしましょう。

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