経口補水液は、軽度から中等度(意識のある状態)の脱水状態に有効とされています。水に塩分と糖分を一定の割合で配合した飲料で、健康にとって重要な水分を効率よく補充することができます。スポーツドリンクに比べて糖分が少なく、塩分が多く含まれています。したがって、この飲料を飲むと「美味しい」と感じたら軽い脱水状態にあるといえます。大塚製薬のOS-1は、500ml辺り1.5gの塩分が含まれており、脱水症状に陥っている人に適しています。
一方、スポーツ飲料は、浸透圧を下げ、胃腸への負担を軽減しながら吸収速度を上げるため、運動や重労働など、たくさん汗をかいたときに飲用されるように開発されました。スポーツ飲料には、水分、ミネラル、ブドウ糖、電解質がバランスよく配合されており、経口補水液に比べて塩分が少なく、糖分が多く含まれています。そのため、摂りすぎには注意が必要です。
人間の体の約60%は水分でできています。食事や飲み物からの水分補給は、健康維持にとって重要です。1日の水分摂取量を維持するためには、食事1L、体内で作られる水0.3L、飲み水1.2Lの合計2.5Lが必要です。また、1日の水分排出量は、尿や便1.6L、呼吸や汗0.9Lの合計2.5Lです。水分摂取量と排出量を均衡させることは、体内の水分を適切に維持するために重要です。
水分は、人の体の重要な役割を果たしています。水分は、酸素や栄養を各細胞に運び、不要な老廃物を体外へ排出する役割を持っています。また、血液を循環させ、発汗を促して体温を調節することができます。さらに、新陳代謝が円滑に行われるようにサポートすることができます。一方、脱水状態に陥ると、人の体に悪影響を及ぼす可能性があります。5%程度の脱水状態では、脱水症状や熱中症などの症状が現れることがあります。10%程度の脱水状態では、筋肉の痙攣や循環不全などが起こることがあります。20%以上の脱水状態では、死に至る可能性があることが知られています。
水分を補給する際には、自分に合った適切な飲み物を選択することが重要です。通常の生活では、水やお茶、麦茶などの飲み物が適しています。普段の食事で電解質を補える範囲の運動では、普通の水を飲むことができます。しかし、激しい運動や高温下での仕事、運動や食欲不振の状態では、スポーツドリンクが適しています。ただし、スポーツドリンクには、塩分や糖分が含まれていることに注意してください。糖尿病、腎臓病、高血圧、肥満の方は、担当医師に相談することをお勧めします。また、熱中症や嘔吐、下痢などの状態では、経口補水液が適しています。ただし、腎臓病や高血圧の方は、医師に相談してから摂取することをお勧めします。
コーヒーや緑茶、エナジードリンクに含まれるカフェインやアルコールなどは、水を排泄する作用があるため、飲みすぎに注意する必要があります。また、ジュースや甘い飲み物には、糖分が多く含まれているため、血糖値が上昇しやすく、肥満の原因になることがあります。適切な水分補給を心がけて、健康な生活を送りましょう。